UIをつくるための思考: はじめから動かさない


こんにちは、Gaji-Labo UIデザイナーの今西です。

デザインを考える際の思考について、何回かの連載で書いていきたいと思います。あくまで私の自分流なやり方のものになります。
(一瞬「セブンルール」っぽく書こうかなと思ったけど、ちゃんと番組を見たことないのでやめときます。)

私はデザインを進める上で、実際に手を動かす制作・作る工程よりそれ以上に事前の準備や考える工程が大事だと考えています。

今回はその準備フェーズの「見ること」についてです。

手を動かさないで見る

これはデザインの準備フェーズです。はじめからすぐデザインで手を動かしても、目的やゴールを設定しないままで悩んで作られたものは最適解にはなりません。

準備フェーズは頭に入れておくべきプロジェクトへの理解や一般的なデザイン原則などのインプットも必要ですが、ここではインプットのひとつとして「見ること」中心に書きます。

まず、事例を集める

キーワードや画像で検索して事例を集めます。UIだと類似・競合するサービスの画面について調べたり、課題のゴールに対してのベンチマークにするものを探していきます。カラーについてもイメージに近いものを挙げておくとよいです。 Webだけではなく、デザインに関する資料など本から事例になるものを見つけることもあります。

私の場合Webで調査しているとき、見つけた参考リンクをリストすることが多いです。リストはなんとなくの傾向でリンクをまとめたり、印象のメモを一言程度つけたりしています。 事例の数を探す方に時間をかけたいのとスクリーンショットを撮ったり貼ったりする手間を省きたいので、私の自分のためのものぐさ時短な方法です。

ちゃんと進めるならば、ムードボードにまとめるのがよいと思います。 やり方やツールはいろいろありますが、最近Miroを使い始めて「ムードボードに使いやすそう」と感じたので今後はMiroで事例集めをまとめていこうかなと考えています。スクリーンショットをURLから貼れたり、メモやコメントをつけたり、並び替えができたりと機能が充実しているのが良いですね。

そして、観察する

観察からできることは事例の中から軸やパターン、方向性を見出し、デザインの戦略を立てる材料を見据えることです。

事例集めをしている時点で検索しているとなんとなくの軸やパターンが見えてきている状態ではあるのですが、軸やパターンもここでちゃんと系統立てていきます。事例をグループ分けしてまとめていきます。

方向性については、集めた事例を眺めて事例を課題と「近い」「遠い」、もしくは単純に課題に対して「良い」「悪い」などの基準を持って判断します。

判断する基準はプロジェクトの課題や要件に寄ります。そのため、つくるものの課題や要件への理解が必須になります。 この作業はメンバーとプロジェクトの方向性を確認するための目線合わせにも役立ちます。「見ること」プロセスのまとめをチームメンバーと共有したりディスカッションすることで、デザインをつくる戦略をメンバーと合意のあるかたちで進めることができます。

「見ること」とは

個人的には「見ること」はデザイナーが好きな作業だと思っています。とにかく「見ること」から学ぶこと、発見することは尽きません。デザインをつくる手を動かしてはいませんが、そのときのプロジェクトの作業だけでなく他のプロジェクトにも役立つことがあるので、「見ること」から得たことはそれだけでもしっかりとした知見になります。

「見ること」から見つけた方向性や軸から進むべきデザインのイメージが見えてきます。デザインの戦略を考えるまでの大事なプロセスです。

次回の連載は、見えてきたものからデザインの戦略を立てるために「考える」ことについて書きたいと思います。

Gaji-LaboはUI検討のためのモデリングをお手伝いをします

「新規事業に取り組んでいるが、ビジネスから開発までのプロセスがなかなかうまく繋がらない」
「エンジニアとの共通言語になるツールを活用してよりよいものを作りたい」
「表面的な見た目の部分だけでなく、サービスの構造を捉えたデザインをしてほしい」

UIデザインに関わるお悩みごとをお持ちでしたら、まずは一度お気軽に Gaji-Labo にご相談ください。

オンラインでのヒアリングとフルリモートでのプロセス支援にも対応しています。

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投稿者 Imanishi Emi

UIデザイングループリード。
制作会社でプロモーションサイトや広告のデザイン制作、受託開発会社にてサービスのUIデザインを経験し、Gaji-Laboに参加。ユーザーが使いやすいインターフェースデザインづくりと、フロントエンドで実現するUIデザインの橋渡しについて考えます。
実際にインターフェースを試したりフィクションの世界のUIにヒントをもらいながら、心地よく使えるデザインを考えるのが好き。