知識は誰かと一緒に仕事をするための共通言語になる

先日、一緒に案件を進めている弊社デザイナーチーム数名でオンラインごはん会をしました。それぞれ自分の好きなおいしいものを手元に置いて、仕事の話題に限らないたくさんのおしゃべりをした楽しい時間でした。

デザイナー同士でおしゃべりしていると、最初は他愛もない雑談をしているのに気が付くとデザインの話になっているもの… 今回はそんなおしゃべりの中で出てきた話題の中でおもしろかったものをひとつ紹介したいと思います。

オブジェクト指向の家事設計で盛り上がった話

自宅の話題で盛り上がっていたとき、家事の話題が出ました。家事が苦手な人と家事が大好きな人に分かれ、お互いの家事のやりかたについて話したりしていたのですが、私にとっては目からウロコな考え方を聞きました。

エリアドリブンか、オブジェクトドリブンか

私は家の掃除をするとき「今日はこのエリアをリセットしよう」という気持ちで掃除をはじめます。掃除が苦手なのでエリアを区切って面積を小さくすることで、エリア内での成果を確実に上げようと考えるのです。

しかし、家事が好きだという人の答えはこうでした。「手に持ったものでできることを全部やりたいんだよね」手に持ったオブジェクトでできることを、家中のすべての場所を対象にして行うらしいんです。へー! その発想はなかった! と興奮してしまいました。

キッチンを例にしてみます。「排水溝を掃除したいな」が掃除をはじめるきっかけだとしましょう。

エリアドリブンの場合は、排水溝があるキッチンをひとつの単位として、キッチンという区画にあるものをきれいにしようと考えます。エリアの中には様々なコンポーネントがあるので、シンクだったり、ガスレンジだったり、それらをどうやってきれいにするかを基準に考えます。

オブジェクトドリブンの場合は、排水溝を掃除するための漂白剤を基準に考えるのだそうです。漂白剤できれいにできるところは、洗面所の水回りだったり、お風呂の水回りだったり、エリアとしては分散しているけれども役割として似ているコンポーネントです。役割として似ているということは素材や汚れ方も似ているということですよね。

同じエリアでもきれいにする方法が違うコンポーネントが混在していますし、オブジェクトを手に持ち替えるというスイッチングコストが発生します。確かに手に持ったままできることを全部やってしまうっていうのは合理的に思えます。

その考え方だと、タスクフローの組み立てが全然変わってくるな! と思いますし、今まで面倒だと感じていた部分をショートカットしたり乗り越えたりできるかもしれません。う〜ん、目からウロコ!

共通の知識を持っているからこそわかるメタファーやアイデア

実はそんな話で盛り上がりましたよ… というのが主題ではなくて、そうした話題で盛り上がるための共通知識を持っていることに注目したいのです。

今回おしゃべりしていたのは、あるサービスのUIモデリングをオブジェクトベースで一緒に進めているデザインチームでした。OOUIと呼ばれるオブジェクト指向ユーザーインターフェースについて日々議論しているため、オブジェクトとタスクの話に敏感なのです。

家事の話をするときに、ついついオブジェクト指向UIの話に寄っていってしまう。その場にOOUIに取り組むデザイナーしかいなかったため、そういう流れになりました。

普段仕事で使っている概念を(そのままきれいにではなくても)当てはめて語っていくと、するする話が進んで非常におもしろいので、そうなってしまうんですよね。もしも同じ知識を共有していなければ、前提知識の話から説明する必要があり、話が膨らむテンポは遅くなります。

共通言語を持つことが質の高いコラボレーションをするための必要条件

ジョークのような話であっても、まじめなアイデアであっても、前提になる知識があるから通じるということですよね。メタファーやアイデアの持つコンテキストが通じなければ、話していることの意味は理解できません。

この話は、チームで最速のアウトプットを出すためにはどうすればいいのか? というシチュエーションにも似ている気がします。持っている言語を揃えて、共通の概念を踏み台にして高く遠くジャンプする感じ。

逆に言うと、共通言語を持たない相手に対する説明責任やわかりやすく伝える努力も同じくらい大事ということだと思います。共通言語を持っていないから悪いわけではなく、いかに共通言語を作ろうとするマインドをお互いに持てるかが鍵なのかもしれません。

デザイナー同士ならデザインに関わる知識やフレームワークが共通言語になるでしょう。同じプロジェクトに関わるチームメイト同士なら、職域が違ってもビジネスドメインに関わる知識が共通言語になるのかもしれない。誰と誰がどんな共通言語で結ばれているのかを知ることは、大事なことなのではないでしょうか。

経験値だけでは超えられない壁を共通言語で超えてゆく

経験値だけあれば知識はなくてもどうにかなる、という考え方もあります。それは自分ひとりのキャリアを考えるときには有効かもしれません。しかし、自分の周囲にいるたくさんの人とコラボレーションするために、自分の専門領域の知識が共通言語になるということは事実だと思います。

知識を持っているから偉いわけではなく、知識を持っていないと仕事ができないわけでもなく(できない場合もあるとは思いますが)、ひとりでは実現できない大きな仕事を他の誰かと一緒にするために、知識をインプットしたりアップデートしたりする。そういう考え方をすると、見えてくる世界がすこしだけ変わるのかもしれないですね。

デザイナー同士の雑談から、そんなことを考えた、というお話でした! これからもそんなことを大事にしながら、様々な人たちとのコラボレーションを楽しんでいきたいなと改めて思います。みなさんともいろいろな雑談がしたいので、いつでもお気軽にお声がけくださいね。

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投稿者 山岸 ひとみ

主にサービスデザイン案件や新規事業・スタートアップ案件を担当し、サービスデザイナー/プロセスファシリテーターとしてビジネスとデザインが密接な領域で活動。柔軟なプロセス設計を持ち味にして、チームの成果と成長に貢献しています。社内ではメンバーが健康に働ける環境の整備やひとりひとりの成長のためのしくみづくりなどを担当。おいしいコーヒーを買ってくる担当もやってます☕